Don Bradman Cricket 17

Don Bradman Cricket 17」は、クリケットというスポーツを再現し、それをビデオゲームに適応させたという点で、賞賛に値する作品です。クリケットは、アメリカンフットボールやバスケットボール、野球といった人気スポーツのように、欧米ではあまり人気がないかもしれませんし、アメリカの放送でNFLに対抗するような存在になることはないでしょう。「Don Bradman Cricket 17」の出来が良いのは、ある意味で驚きです。マッデンやNBA 2Kのような巨大マーケットにはプロダクションバリューや完成度で敵わないが、これがクリケットファンによるクリケットファンのためのゲームであることは疑いようもなく、これが存在するということは、ビデオゲーム業界がいかにオープンでアクセスしやすくなったかということの表れです。クリケットのファンでなくとも、ゲームの複雑な仕組みを知りたければ、「Don Bradman」はチェックする価値があります。

クリケットは、基本的に野球のスポーツとそれほど変わりません。ピッチャーとバッターの代わりにボウラーとバッツマンが登場しますが、ボールを投げる人と打つ人の意地の張り合いに変わりはなく、「Don Bradman」は野球のゲームの仕組みを簡単にアレンジして新しいペンキを塗り、それで終わりにできたはずです。幸いなことに、彼らはそのようなことはしていません。実際、メカニクスは信じられないほど微妙で、クリケットの複雑なルールに精通していないプレイヤーには、最初は不可解に思えるかもしれません。チュートリアルにはかなりの時間がかかり、一度にすべての情報を吸収するのは難しいかもしれません。しかし、クリケットへの情熱がある人なら、想像しうる限りのスタイルを再現することが可能です。ボウラーとバッツマンの両方としてプレーすることで、コントロールできる変数がたくさんあります。これらを使いこなすには長い時間がかかりますが、あらゆるテクニックを身につけ、ゲームの基本を理解した上でピッチに立つと、驚くほど満足感が得られます。

「Don Bradman」は、人気の高いスポーツゲームのライバルとは異なり、毎年発売されるフランチャイズではなく、このエディションは、3年間の休止期間から大きな恩恵を受けています。複雑化するメカニクスは、このゲームに新たに加わったもので、参入障壁はかなり高くなるが、このゲーム独自のアイデンティティを確立することも可能です。さらに、キャリアモードに大きな変更が加えられていることも、本作の体験をより充実したものにしています。他の多くのスポーツゲームと同様、自分で選手を作り、無名選手からプロ選手まで育てることができます。このモードはロールプレイング的な意味合いが強く、ユーザーが上達し続けるための格好の口実になり、1人プレイを楽しみたい人のプレイ時間を独占することになりそうです。